
小冊子印刷のすべて ── 用紙・綴じ・部数まで“失敗しない冊子づくり”完全ガイド
2025年07月24日

会社案内や製品カタログをはじめ、紙冊子は今も「一覧性」と「信頼感」で選ばれる定番ツールです。しかし検索結果には専門用語が並び、費用体系もバラバラ~どの業者に頼むべきか判断に迷う声は尽きません。
本ガイドでは、コストと品質のバランスを取りながら最適な業者を選ぶ手順を、ストーリー仕立てで解説します。

業者選びに正解はありません。価格の安さだけを見て選んだ結果、納期に間に合わなかったり、希望の加工に対応していなかったりというケースも。まずは「譲れない条件」を明確にした上で、以下の視点から総合的に判断しましょう。
見積書には「本体価格」だけでなく、送料・梱包料・データチェック料などの諸費用が含まれているかを確認します。オプションごとに加算される業者も多いため、最終的な支払額で比較するのが鉄則です。
・希望の製本方式(中綴じ・無線綴じ・PURなど)に対応しているか
・用紙ラインナップが充実しているか(光沢紙、再生紙、マット紙など)
・分納・多拠点発送に追加料金なく対応できるか
・データの修正対応・再入稿がスムーズか
以上をチェックしておくことで、進行中のストレスやコスト超過を防げます。
製本方式は冊子の「見た目」だけでなく、「開きやすさ」「耐久性」「納期」にも影響を与える重要な要素です。用途に合わせて、以下の3つから選びましょう。
針金で中央を留める最もシンプルな製本方式。薄く軽く開きやすいため、展示会パンフレットや配布用資料などに最適です。安価でスピード納品も可能ですが、厚みが出ると綴じ目が開きにくくなるため、ページ数は48P以内が目安です。
本文の背を糊で接着する製本方式。書籍のような仕上がりで、高級感・保存性に優れています。企業案内やマニュアルなど、“しっかり感”を出したい場面におすすめ。ノド(中央)の開きにくさを考慮して、見開きレイアウトには工夫が必要です。
無線綴じの一種で、PURという強力な接着剤を使う製法。繰り返し開かれるマニュアルや、保存性を求める製品カタログなどに最適。耐熱性・耐寒性にも優れており、屋外使用にも向いています。

用紙は「触ったときの印象」や「色の再現性」だけでなく、コストにも直結します。用途に応じて適切に選ぶことで、コストと見た目のバランスを両立できます。
・写真重視:コート紙(90kg〜)
光沢があり発色が良いため、製品カタログやパンフレットに最適です。
・落ち着いた印象:マット紙(90kg〜)
光を反射しにくく、文字が読みやすいため、医療・教育系や社内報などに適しています。
・書き込みやすさ重視:上質紙(70〜90kg)
インクのなじみがよく、マニュアルやアンケート付き冊子などに向いています。
表紙には135〜180kg程度の厚手の紙を使い、マットPPやグロスPP加工を施すと、見た目の高級感だけでなく耐久性も大幅アップ。加工費は数千円からですが、仕上がりへの影響は大きいため、費用対効果は抜群です。
全ページカラー印刷は豪華に見えますが、費用が一気に跳ね上がります。伝えたい要素とコストのバランスを見ながら「部分カラー化」で調整しましょう。
最初の4〜8ページだけカラー印刷し、残りをモノクロにする構成は、視覚的なインパクトと予算の両立が可能。製品カタログであれば、冒頭にビジュアル訴求を集め、スペックや価格表はモノクロで整理する構成が効果的です。
カラー印刷は面付けの都合で4ページ単位になることが多いため、事前に印刷会社と相談しておくとムダなコストを防げます。

印刷費用を抑えても、データ不備で再入稿になれば納期もコストも膨らみます。以下の4ステップを守ることで、トラブルを未然に防げます。
塗り足し(上下左右3mm)、トンボ、背幅ガイドなどが正確に設定されたテンプレートを使用すれば、入稿時の修正が大幅に減ります。
RGBや72dpiの画像は、印刷すると色ズレ・画質低下の原因に。すべての画像を事前に確認し、CMYKに変換しておくのが鉄則です。
無線綴じ以上の製本では、背幅=ページ数×紙厚÷2 で算出し、デザインに反映します。ズレると製本不良や断裁ミスにつながるため注意が必要です。
印刷に最適な形式がPDF/X‑1a。フォント埋め込みや画像リンク切れの心配もなく、印刷会社側でも処理がスムーズです。
冊子の印刷は“完了”ではなく“始まり”です。Webと連携させることで、ROI(投資対効果)を飛躍的に高められます。
たとえば製品紹介冊子にQRコードを設けてLPへ誘導すれば、ユーザーは気になる情報をすぐにWebで深掘り可能。アクセスログをもとに、人気のある商品や機能が可視化され、広告施策にも反映できます。
印刷データをそのままLPや特設サイトに展開すれば、別途制作費を抑えられるだけでなく、紙とWebのトーンも統一可能。印刷とWebを一括で対応できる業者なら、連携もスムーズに進みます。
Q. 少部数でも安くできますか?
A. はい。オンデマンド印刷+中綴じなら10部から対応可能で、1冊あたり200円程度に抑えられます。
Q. RGBデータでも入稿できますか?
A. 自動変換は可能ですが、色味ズレを防ぐにはCMYK+PDF/X‑1aでの入稿が推奨です。
製本業者選びで失敗しないためには、価格だけでなく「用途・納期・加工・対応力」を含めた総合的な判断が必要です。以下のステップを押さえておけば、初めての発注でも安心して進められます。
ページ数と用途に合った製本方式を選ぶ(中綴じ・無線綴じ・PUR)
表紙と本文の用紙を分けて印象とコストを調整
カラーページを絞って印刷コストを20〜40%削減
入稿時はテンプレート+PDF/X-1aで“再入稿ゼロ”を目指す
Webと連携して印刷費を“投資”に変える
印刷会社に相談する前にこのガイドを見直しておけば、発注の精度が高まり、コストも成果もブレずに実現できます。まずは候補業者に見積もりを取り、チェックリストを使って比較してみましょう。