製本業者の選び方ガイド──価格・納期・加工オプションまで“失敗しない発注”のポイント

会社案内や製品カタログをはじめ、紙冊子は今も「一覧性」と「信頼感」で選ばれる定番ツールです。しかし検索結果には専門用語が並び、費用体系もバラバラ~どの業者に頼むべきか判断に迷う声は尽きません。

本ガイドでは、コストと品質のバランスを取りながら最適な業者を選ぶ手順を、ストーリー仕立てで解説します。

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1. 業者選びで失敗しない7つの視点

業者選びに正解はありません。価格の安さだけを見て選んだ結果、納期に間に合わなかったり、希望の加工に対応していなかったりというケースも。まずは「譲れない条件」を明確にした上で、以下の視点から総合的に判断しましょう。

総額表示かどうかを必ず確認

見積書には「本体価格」だけでなく、送料・梱包料・データチェック料などの諸費用が含まれているかを確認します。オプションごとに加算される業者も多いため、最終的な支払額で比較するのが鉄則です。

加工や納品方法の柔軟性も要チェック

・希望の製本方式(中綴じ・無線綴じ・PURなど)に対応しているか
・用紙ラインナップが充実しているか(光沢紙、再生紙、マット紙など)
・分納・多拠点発送に追加料金なく対応できるか
・データの修正対応・再入稿がスムーズか

以上をチェックしておくことで、進行中のストレスやコスト超過を防げます。

2. 製本方式はページ数と用途で決める

製本方式は冊子の「見た目」だけでなく、「開きやすさ」「耐久性」「納期」にも影響を与える重要な要素です。用途に合わせて、以下の3つから選びましょう。

中綴じ(8〜48ページ程度)

針金で中央を留める最もシンプルな製本方式。薄く軽く開きやすいため、展示会パンフレットや配布用資料などに最適です。安価でスピード納品も可能ですが、厚みが出ると綴じ目が開きにくくなるため、ページ数は48P以内が目安です。

無線綴じ(40〜200ページ程度)

本文の背を糊で接着する製本方式。書籍のような仕上がりで、高級感・保存性に優れています。企業案内やマニュアルなど、“しっかり感”を出したい場面におすすめ。ノド(中央)の開きにくさを考慮して、見開きレイアウトには工夫が必要です。

PUR製本(120ページ以上・耐久性重視)

無線綴じの一種で、PURという強力な接着剤を使う製法。繰り返し開かれるマニュアルや、保存性を求める製品カタログなどに最適。耐熱性・耐寒性にも優れており、屋外使用にも向いています。

3. 用紙選びで印象と単価を操る

用紙は「触ったときの印象」や「色の再現性」だけでなく、コストにも直結します。用途に応じて適切に選ぶことで、コストと見た目のバランスを両立できます。

用途別に合う紙を選ぶ

・写真重視:コート紙(90kg〜)
光沢があり発色が良いため、製品カタログやパンフレットに最適です。

・落ち着いた印象:マット紙(90kg〜)
光を反射しにくく、文字が読みやすいため、医療・教育系や社内報などに適しています。

・書き込みやすさ重視:上質紙(70〜90kg)
インクのなじみがよく、マニュアルやアンケート付き冊子などに向いています。

表紙は厚め+加工で「第一印象」を決める

表紙には135〜180kg程度の厚手の紙を使い、マットPPやグロスPP加工を施すと、見た目の高級感だけでなく耐久性も大幅アップ。加工費は数千円からですが、仕上がりへの影響は大きいため、費用対効果は抜群です。

4. カラーページの配分でさらなる節約

全ページカラー印刷は豪華に見えますが、費用が一気に跳ね上がります。伝えたい要素とコストのバランスを見ながら「部分カラー化」で調整しましょう。

口絵カラー+本文モノクロでコスト最適化

最初の4〜8ページだけカラー印刷し、残りをモノクロにする構成は、視覚的なインパクトと予算の両立が可能。製品カタログであれば、冒頭にビジュアル訴求を集め、スペックや価格表はモノクロで整理する構成が効果的です。

カラー印刷は面付けの都合で4ページ単位になることが多いため、事前に印刷会社と相談しておくとムダなコストを防げます。

5. 入稿前に押さえる4ステップ

印刷費用を抑えても、データ不備で再入稿になれば納期もコストも膨らみます。以下の4ステップを守ることで、トラブルを未然に防げます。

1. 公式テンプレートでデータ作成

塗り足し(上下左右3mm)、トンボ、背幅ガイドなどが正確に設定されたテンプレートを使用すれば、入稿時の修正が大幅に減ります。

2. 解像度350dpi・CMYKで画像を配置

RGBや72dpiの画像は、印刷すると色ズレ・画質低下の原因に。すべての画像を事前に確認し、CMYKに変換しておくのが鉄則です。

3. 背幅を正確に計算する

無線綴じ以上の製本では、背幅=ページ数×紙厚÷2 で算出し、デザインに反映します。ズレると製本不良や断裁ミスにつながるため注意が必要です。

4. PDF/X‑1a形式で書き出し+出力見本を添付

印刷に最適な形式がPDF/X‑1a。フォント埋め込みや画像リンク切れの心配もなく、印刷会社側でも処理がスムーズです。

6. 紙×Web連動で投資回収を加速

冊子の印刷は“完了”ではなく“始まり”です。Webと連携させることで、ROI(投資対効果)を飛躍的に高められます。

QRコードでLPや動画へ誘導

たとえば製品紹介冊子にQRコードを設けてLPへ誘導すれば、ユーザーは気になる情報をすぐにWebで深掘り可能。アクセスログをもとに、人気のある商品や機能が可視化され、広告施策にも反映できます。

デザインデータをWebでも再利用

印刷データをそのままLPや特設サイトに展開すれば、別途制作費を抑えられるだけでなく、紙とWebのトーンも統一可能。印刷とWebを一括で対応できる業者なら、連携もスムーズに進みます。

7. よくある質問(FAQ)

Q. 少部数でも安くできますか?
A. はい。オンデマンド印刷+中綴じなら10部から対応可能で、1冊あたり200円程度に抑えられます。

Q. RGBデータでも入稿できますか?
A. 自動変換は可能ですが、色味ズレを防ぐにはCMYK+PDF/X‑1aでの入稿が推奨です。

まとめ

製本業者選びで失敗しないためには、価格だけでなく「用途・納期・加工・対応力」を含めた総合的な判断が必要です。以下のステップを押さえておけば、初めての発注でも安心して進められます。

  • ページ数と用途に合った製本方式を選ぶ(中綴じ・無線綴じ・PUR)

  • 表紙と本文の用紙を分けて印象とコストを調整

  • カラーページを絞って印刷コストを20〜40%削減

  • 入稿時はテンプレート+PDF/X-1aで“再入稿ゼロ”を目指す

  • Webと連携して印刷費を“投資”に変える

印刷会社に相談する前にこのガイドを見直しておけば、発注の精度が高まり、コストも成果もブレずに実現できます。まずは候補業者に見積もりを取り、チェックリストを使って比較してみましょう。

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