コストを抑えて“伝わる冊子”を作る ── 安い冊子印刷を実現するための完全ガイド

「印刷費が思ったより高かった」「何にどれだけ費用がかかっているのかわからない」──そんな経験はありませんか?

4ページのリーフレットから100ページ超のカタログまで、冊子印刷は“情報量と携帯性を両立できる”優れた販促ツールです。しかし実際には、用紙の選定や製本方式の違い、見た目を整える加工オプションの選択など、複雑な工程が多く、ちょっとした判断ミスでコストが跳ね上がるケースも少なくありません。

本記事では「必要十分な品質は確保しつつ、無駄な出費を抑える」ことをテーマに、冊子印刷の費用構造と仕様設計のコツをステップ形式で解説。印刷会社とのやり取りにすぐ使える知識が身に付きます。初めての印刷担当でも安心して進められるよう、実例や数字も交えながら、わかりやすくお伝えしていきます。

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1. 冊子印刷の価格が決まる仕組み

冊子の印刷価格は、いくつかの要素が組み合わさって決まります。その構造を理解することで、どの部分でコストが膨らみやすいのかを見極めやすくなります。

ページ数と綴じ方式の関係性を知る

基本的にページ数が増えるほど、紙代・印刷代・製本代が積み上がります。中綴じは48ページ程度までなら安価で制作可能ですが、60ページを超えると無線綴じへの切り替えが推奨されます。中綴じのまま無理に綴じると、開きづらくなる・背割れが起こるといった品質劣化が発生するため注意が必要です。

用紙と加工の選択がコストを左右する

本文に使用する用紙の厚みや種類、表紙に加えるPP加工や箔押しといった装飾要素によって、単価は大きく変動します。マットPP加工などは見た目と耐久性を両立できる人気オプションですが、装飾を増やしすぎると追加費用がかさむため、メリハリをつけた設計がカギになります。

印刷部数と印刷方式で変わる単価

オンデマンド印刷は小ロットでも対応可能で、初期費用が抑えられます。一方、部数が多い場合はオフセット印刷の方が1冊あたりの単価が安くなる傾向があります。目的や配布数に応じて、適切な方式を選びましょう。

2. 用紙と表紙を賢く選ぶ

印刷費用の中でも、用紙は全体コストに大きく影響します。「質感」「印象」「耐久性」と「コスト」のバランスをどう取るかがポイントです。

本文用紙の選び方とその影響

・写真や図表が多いカタログには、光沢感のあるコート紙90kgが人気。色が鮮やかに出て、視覚的インパクトも強くなります。
・一方、研修マニュアルやマニュアル資料など、読みやすさ重視なら上質紙70kgに切り替えるのが得策。書き込みもしやすく、コストも10〜15%抑えられることがあります。

表紙の厚みと加工で印象を引き締める

表紙は本文よりも一段階厚い135〜180kgの用紙を使うのが基本。ここにマットPP加工を加えることで、こすれや折れに強くなり、見た目にも高級感が出ます。営業資料やパンフレットでは第一印象を左右するため、特に効果的です。

複数パターンでの見積もり取得も有効

オンデマンド印刷では本文と表紙の紙種を変えても追加料金がかからないケースが多いため、2〜3通りの仕様で見積もりを取り比較するのが理想です。

3. データ入稿で発生する“見えないコスト”を防ぐ

印刷トラブルの多くは、データ不備による再入稿や修正対応から発生します。見積もりに含まれないこれらの“見えないコスト”は、実は予算超過の原因になりがちです。

基本ルールを守るだけでコストは防げる

・塗り足し(3mm)をきちんと設定し、断裁時に白フチが出ないようにする
・画像は350dpi以上で配置し、カラー設定は必ずCMYKへ変換
・無線綴じ冊子では背幅を「ページ数×用紙厚÷2」で計算し、正確にレイアウト
・フォントはすべてアウトライン化し、文字化けを防止

こうした基本ルールを守るだけでも、修正依頼を回避し、納期遅延や追加費用のリスクを最小限に抑えることが可能です。

4. 失敗しない発注スケジュール

発注タイミングを間違えると、納期に追われたり、追加料金が発生したりとトラブルの元になります。工程を逆算して、計画的に進めましょう。

理想的なスケジュール例

・2週間前:仕様決定・見積もり依頼
・10日前:データ入稿&プリフライトチェック
・7日前:校正(ブランドカラー重視の場合は本機校正推奨)
・5〜2日前:印刷・製本(中綴じなら最短2営業日)
・前日:発送(分納・直送が無料の業者を選ぶとコストダウン)

スケジュールに余裕を持たせることで、見積もり確認やデータ修正などに柔軟に対応でき、トータルコストも抑えられます。

5. ハンジョウ活用例:紙 × Web でコスパ最大化

紙の冊子とWeb施策をバラバラに進めていると、制作費用がかさむだけでなく、デザインやトーンの一貫性が失われてしまうことも。そこで注目されているのが、印刷とWebを“まとめて発注”するワンストップ制作です。

紙+Webを一括で依頼するメリットとは?

ハンジョウのような一括対応型の制作会社を活用すれば、以下のような相乗効果が得られます。

・進行管理が一本化できるため、社内のやり取り工数が減少
・冊子とLP(ランディングページ)のデザイントーンが揃う
・冊子デザインを活かしてWeb素材を再利用できるためコストが削減できる

たとえば、採用パンフレットを制作した企業では、紙の冊子とWeb LPを同時に展開することでデザイン費を約30%カット。さらに、冊子内に設置したQRコードからの流入データをもとに、SNS広告のPDCAを回すという導線設計も実現しました。

PDFデータの活用で費用対効果を最大化

完成した冊子データ(PDF)は、Web上のダウンロード資料としても活用可能です。営業資料や採用パンフレットなど、閲覧目的が明確なコンテンツほど二次利用の効果が高くなります。

紙・Web・広告が連携することで、単なる印刷物が「集客装置」として活躍するツールに進化します。

6. よくある質問

Q. 10部だけでも安く作れる?
A. オンデマンド印刷なら可能です。部数が少なくても1冊200円前後から対応できます。

Q. A4からA5に変更すると価格は?
A. 用紙面積が約50%減るため、印刷コストも2〜3割ほど抑えられます。

Q. 中綴じで60Pは可能?
A. 物理的には綴じられますが、開きにくくなるため無線綴じが推奨されます。

Q. 冊子とWebを別々の会社に頼むとどうなる?
A. 進行管理やデザイン調整のやり取りが増え、トーンやブランド表現がズレやすくなります。コストや工数の面でも一括対応がおすすめです。

まとめ:コストを抑える5か条

小冊子印刷で「価格を抑えつつ、しっかり伝わる」冊子を作るには、以下の5つのポイントを押さえましょう。

  1. ページ数は必ず4の倍数で設計し、ムダなページを省く

  2. 48ページ以下は中綴じを選び、製本費用を最大50%削減

  3. 本文90kg+表紙135kg+マットPPがコスパ最強の組み合わせ

  4. 入稿データはCMYK/350dpi/塗り足し3mm/アウトライン化で一発合格を目指す

  5. 紙とWebを一括で依頼し、デザイン・進行・運用コストをまとめて削減

これらのステップを意識すれば、価格を抑えても“伝わる”冊子を実現できます。まずは無料見積もりや用紙サンプル請求から、小さく始めてみるのがおすすめです。

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