
UIデザイン資格とは?取得するメリットや必要スキル、学習方法を詳しく解説
2026年03月30日

営業資料は、情報をきれいにまとめるためだけの資料ではありません。商談相手が内容を短時間で理解し、自社の課題との関係を整理し、提案内容を検討できる状態をつくることが本来の役割です。
ところが実際の営業資料では、会社概要やサービスの特徴を詰め込んだ結果、どこが重要なのか分からなくなっているケースがあります。反対に、見た目をシンプルにすることを優先しすぎて、判断に必要な料金や導入条件、具体的なメリットが不足している資料もあります。
営業資料のデザインで考えるべきなのは、配色やフォントだけではありません。顧客が何を知りたいのか、営業担当者がどの順番で説明するのか、商談後に資料だけを読んでも内容を理解できるのかまで含めて設計する必要があります。
この記事では、営業資料デザインの基本から、商談で伝わりやすい構成、文字・写真・図解の使い方、提案資料で必要な要素、作成時に起こりやすい失敗、完成後の改善方法まで詳しく解説します。

営業資料を作成するとき、PowerPointなどを開いてすぐに表紙を作り始める必要はありません。先に整理したいのは、資料を誰が、どの場面で、何のために使うのかです。
この前提が曖昧なままデザインすると、情報はそろっていても営業では使いにくい資料になってしまいます。
同じ営業資料でも、初回商談で使用する資料と、見積もり前の具体的な提案資料では必要な内容が違います。
初回商談では、顧客がまだ自社の商品やサービスを十分に理解していない可能性があります。この段階で細かな仕様を何ページも説明するより、「どのような課題を解決できるのか」「どの企業に向いているのか」を先に伝える方が理解しやすくなります。
一方、すでにサービス内容を理解している顧客への提案では、料金、導入方法、スケジュール、サポート範囲などが判断材料になります。
一つの営業資料ですべての商談段階へ対応しようとすると、ページ数が増えて説明の焦点がぼやけがちです。誰にいつ見せる資料なのかを明確にすることが、構成を決める出発点になります。
資料を作成する側は、自社についてよく理解しています。そのため、会社紹介、沿革、サービス一覧、特徴という自社が説明しやすい順番で構成してしまうことがあります。
しかし、初めて説明を受ける顧客が最初に知りたいのは、会社の歴史とは限りません。
たとえば業務効率化サービスなら、「現在どのような業務で時間がかかっているのか」「導入すると何が変わるのか」「既存システムと併用できるのか」といった疑問が先にあります。
営業資料を顧客目線に変えるには、商談で頻繁に聞かれる質問を書き出してみる方法が有効です。営業担当者が口頭で毎回補足している内容があるなら、その情報は資料側に不足している可能性があります。
営業資料では、情報量よりも情報の順番が理解しやすさを左右します。
最初からサービス機能を詳しく説明するのではなく、顧客が自分の課題として認識し、提案内容を理解し、最後に検討できる流れを作ります。
表紙の次に会社概要を配置する構成もありますが、新規顧客への提案では、まず資料の目的を明確にした方が話を進めやすい場合があります。
たとえば「店舗集客支援サービス」という名称だけでは、何を改善するものなのか分かりません。「新規来店が増えない」「広告を出しているが効果が分からない」といった顧客の状況を示すことで、その後の提案が自社と関係していると理解してもらいやすくなります。
ただし、課題を必要以上に並べる必要はありません。営業対象となる顧客が特に困っている問題に絞り、その課題に対する解決策としてサービスを説明します。
営業資料の冒頭で必要なのは、企業側が話したい内容より、顧客が続きを聞く理由です。
サービス紹介では、機能を一覧で並べるだけにならないよう注意します。
顧客が判断したいのは「機能があるか」だけではなく、それによって自社の業務がどう変わるかです。
たとえば「レポート自動作成機能」を説明する場合、機能名だけを記載するより、手作業で行っていた集計を自動化し、担当者が分析や改善に時間を使えるようになる、と説明した方が利用場面を想像しやすくなります。
ここではベネフィットだけを強調するのではなく、導入条件や対応範囲も示します。顧客が実際に利用できるか判断するために必要な情報まで記載して初めて、営業資料として機能します。
内容に興味を持っても、顧客がすぐに契約するとは限りません。
費用はどの程度かかるのか、導入に何日必要なのか、既存業務へ影響しないか、導入後にサポートしてもらえるのかなど、検討が進むほど具体的な疑問が生まれます。
そこで資料後半には、料金の考え方、導入の流れ、対応範囲、実績、よくある質問などを配置します。
すべての営業資料で料金表を公開できるとは限りません。その場合でも、料金が何によって変わるのか、個別見積もりが必要なのかなど、顧客が次に確認すべき内容は示せます。
最後まで抽象的なメリットだけを伝える資料より、検討に必要な条件まで説明できる資料の方が次の商談へ進みやすくなります。
一枚のスライドに多くの情報を入れれば、ページ数は減らせます。しかし、営業資料ではページ数の少なさよりも理解しやすさを優先した方がよい場合があります。
特にプレゼン形式で説明する資料では、顧客が話を聞きながら文字をすべて読むことは困難です。
資料を作成した後、各ページについて「このページで顧客に何を理解してほしいか」を一文で説明できるか確認します。
説明できない場合、複数の話題が混在している可能性があります。
サービスのメリット、料金、導入フロー、実績を同じページへ配置すると、どこを見ればよいか分かりません。内容によってページを分け、タイトルだけを追っても提案の流れが理解できる状態を目指します。
一方で、1ページ1メッセージを守るためだけに細かな内容まで分割しすぎると、資料が長くなります。比較表のように複数情報を同時に見る意味がある場合は、一つのページへまとめた方が分かりやすくなります。
形式を守るのではなく、顧客が理解しやすい単位で情報を区切ることが目的です。
「サービスの特徴」「導入メリット」といったタイトルでは、そのページを読まなければ内容が分かりません。
営業資料では、「〇〇を自動化して集計作業を削減」「導入時は既存システムを変更せず利用可能」など、見出し自体に結論を入れる方法があります。
営業担当者がページを開いた瞬間に要点が共有されるため、その後の説明も進めやすくなります。
商談後に顧客が資料を見返す場合にも、タイトルだけで内容を思い出しやすくなります。
営業資料デザインでは、すべての情報を同じ強さで見せないことが大切です。
人が一度に認識できる情報には限りがあります。タイトル、結論、補足というように視覚的な優先順位をつけることで、短時間でもページの内容を理解しやすくなります。
資料内の文字をすべて大きくすると、結局どこが重要なのか分かりません。
ページタイトル、主要な数字、結論などは大きくし、根拠や注意事項はそれより小さくします。
特に数字を使う場合は、その数字が何を示しているのかを近くに記載してください。「30%改善」とだけ大きく表示しても、何が30%改善したのか、どの条件で計測したのかが分からなければ営業上の根拠として弱くなります。
実績として数字を使用する際は、確認できる事実だけを記載し、対象期間や条件も必要に応じて補足します。
営業資料を作成していると、空いている部分が気になり、説明文や図を追加したくなることがあります。
しかし余白には、情報同士を区切る役割があります。
課題と解決策、料金プラン同士、機能ごとの説明など、関連する要素を近づけ、異なる情報の間に余白を取ると視覚的に整理できます。
枠線を大量に追加しなくても、配置と余白だけで情報をグループ化できる場合があります。
空白を無駄なスペースと考えず、顧客が読み取る順番を作るための要素として利用しましょう。
営業資料では、おしゃれなフォントを選ぶことよりも、商談の環境で読みやすいかが優先されます。
パソコンの画面上では問題なくても、会議室のモニターへ投影すると細かな文字が見えないことがあります。
複数のフォントを使うと変化を付けられますが、使いすぎると資料全体に統一感がなくなります。
基本となるフォントを決め、見出しと本文はサイズや太さで差をつける方が管理しやすくなります。
社内で複数の営業担当者が資料を修正する場合には、特殊なフォントを使用すると別のPCで表示が変わる可能性もあります。制作環境だけでなく、実際に使用・更新する環境まで考えて選びましょう。
企業のブランドカラーを営業資料へ反映する方法は有効ですが、すべての要素をブランドカラーにすると強調部分が分かりにくくなります。
ベースカラー、主要カラー、アクセントカラーの役割を分け、特に見てほしい部分へアクセントを使うと視線を誘導しやすくなります。
注意したいのは、赤は注意、緑は良い結果など、色だけで意味を伝えることです。資料を印刷した場合や閲覧環境によって見え方が変わるため、文字やアイコンなど別の情報でも判断できるようにします。
営業資料を視覚的にするために、すべてのページへ図や写真を入れる必要はありません。
画像を追加することではなく、文章より視覚的に説明した方が理解しやすい内容へ使うことがポイントです。
複数のシステムがどのように連携するのか、導入後に業務フローがどう変わるのかといった説明は、文章だけでは理解に時間がかかります。
この場合は、要素同士の関係を図で示した方が把握しやすくなります。
ただし、図解を細かくしすぎると、結局文章と同じ情報量になってしまいます。
営業担当者が口頭で説明する資料なら、図では全体像だけを見せ、細かな条件は別ページや補足資料に分ける方法もあります。
製品、店舗、設備、施工など、実物を確認することが顧客の判断に影響する商品では写真が役立ちます。
製品単体の写真だけでなく、実際の使用状態が分かる写真を掲載すれば、サイズ感や用途を理解しやすくなります。
一方、営業内容と関係のないイメージ写真を大きく配置しても、判断材料は増えません。
写真を入れるか迷ったときは、「この写真があることで顧客の理解が具体的に何か増えるか」を基準にすると判断できます。

営業資料は、企業の特徴を伝えるだけでは提案になりません。
顧客の状況と自社サービスの関係を具体的に示し、「なぜこの提案なのか」が理解できる状態を作る必要があります。
営業資料でよくあるのが、課題を3つ紹介した後、サービス機能を5つ説明するものの、どの機能がどの課題を解決するのか分からない構成です。
課題と解決策を対応させれば、顧客は提案の意味を理解しやすくなります。
たとえば「問い合わせ後の対応に時間がかかる」という課題なら、それを改善する機能や運用方法を直後に説明します。
顧客ごとに提案資料をカスタマイズする場合は、全ページを作り直す必要はありません。基本資料を用意しつつ、課題ページや提案部分だけ商談内容に合わせて変更できる設計にしておくと営業担当者の負担も減らせます。
営業では良い点を伝えたくなりますが、実際の導入条件を隠した資料では、後の商談で認識のずれが起こります。
導入までに準備が必要なもの、追加費用が発生する条件、対応できない範囲など、判断に影響する情報は適切なタイミングで伝える必要があります。
すべての注意事項を最初から大きく掲載する必要はありませんが、契約直前まで伝えない状態は避けたいところです。
顧客が比較・判断できるだけの情報を提示することも、営業資料の役割です。
営業担当者が説明しながら見せる資料と、メールで送付して顧客だけで読む資料では、適した情報量が異なります。
商談用は文字を減らして説明へ集中し、送付用では補足文章を増やすという使い分けも検討できます。
オンライン商談や対面プレゼンでは、画面上の文章が多すぎると、顧客が読むことに集中して営業担当者の説明を聞きにくくなります。
結論、図、主要な数字などを中心に配置し、細かな内容は口頭で説明する方が適している場合があります。
質問が出たときに見せる詳細ページを後半に用意しておけば、必要に応じて情報を補えます。
一方、資料請求後に送付する営業資料には説明担当者がいません。
誰向けのサービスなのか、どのような課題を解決するのか、導入方法はどうなっているのかなど、読み手だけでも理解できる説明が必要です。
さらにBtoBでは、資料を受け取った担当者から上司や決裁者へ共有される場合があります。
最初の商談に参加していない人が読んでも大まかな提案内容を理解できるかという視点で確認してください。
営業資料を改善するとき、見た目だけを変更しても成果が変わらない場合があります。
原因が構成なのか、情報不足なのか、デザインなのかを分けて考える必要があります。
自社の信頼性を伝えるために、会社概要や沿革を詳しく説明したくなることがあります。
しかし、10ページ目まで自社紹介が続き、その後ようやく顧客の課題へ入る構成では、提案の本題まで時間がかかります。
初回商談で最低限必要な会社情報だけを前半へ置き、詳細な沿革や拠点情報は後半へ移動する方法があります。
どのページも削れないと感じたときは、その情報が「商談を前へ進めるために今必要か」で判断してみましょう。
余白を多く使った資料は見やすくなりますが、情報を削りすぎれば判断材料も減ります。
サービスが便利、サポートが充実、柔軟に対応といった抽象的な表現だけでは、競合との違いを比較できません。
対応範囲、利用条件、具体的な流れなど、事実として示せる情報を追加します。
営業資料デザインの目的は資料を格好よく見せることではなく、複雑な情報を顧客が理解しやすい形へ整理することです。
サービス内容や料金が変わっているのに、営業資料だけ古いままという状態も避ける必要があります。
内容が間違っていなくても、商談で毎回同じ質問が出ているなら改善の余地があります。
資料は完成品ではなく、実際の商談で得た反応をもとに更新する営業ツールと考えた方が運用しやすくなります。

資料の完成度は、制作担当者だけでは判断できません。
実際に営業で使ったとき、顧客がどこで質問したのか、どのページに反応したのか、説明しにくかった部分はどこかを確認することで改善点が見えてきます。
「使いやすかったか」と聞くだけでは、改善につながる情報が集まりにくくなります。
確認するときは、次のような項目をチェックリストとして整理するとよいでしょう。
ほとんど使われないページがあるなら削除や後半への移動を検討できます。毎回追加資料を送っているなら、その内容を営業資料へ統合した方がよい可能性があります。
同じ資料でも、説明方法によって顧客の理解は変わります。
そのため、資料だけを修正するのではなく、営業担当者がどのページで何を説明するのかまで共有しておくと使いやすくなります。
ページタイトルと営業トークの結論をそろえれば、資料と口頭説明が矛盾しにくくなります。
新しい営業担当者が加わった際にも、資料そのものが商談の流れを示すガイドとして機能します。
営業資料の外注では、デザイン実績だけを見て依頼先を決めると、自社の営業方法と合わない資料になる可能性があります。
依頼前には、デザインの前段階である構成や情報整理まで相談できるか確認しておきましょう。
すでにページ構成と文章が完成しており、見た目だけを整えたいならデザイン制作が中心になります。
一方、「サービス説明はあるが営業資料として整理できていない」という状態なら、構成段階から依頼できる会社が向いています。
その場合は、現在の営業資料だけでなく、商談でよく出る質問、提案時に使っている補足資料、ターゲットとなる顧客について共有します。
デザイン会社へ渡す情報が多いほどよいわけではありませんが、営業の目的を共有しなければ、見た目は整っていても提案しにくい資料になる可能性があります。
営業資料をPowerPointで使用するのか、PDFでメール送付するのか、冊子として印刷するのかによって設計は変わります。
画面表示だけなら問題のない細い文字や淡い色も、印刷すると見えにくくなることがあります。逆に、印刷前提で情報を詰め込みすぎるとオンライン商談では読みにくくなることもあります。
営業資料を紙でも使用する企業なら、印刷仕様や製本まで想定してデザインを進めた方が手戻りを減らせます。
ハンジョウのように印刷物とWeb制作・広告を扱う会社へ相談する場合も、すべての施策を組み合わせる必要はありません。まず営業資料がどこで使用され、誰に何を伝えるのかを整理し、その用途に必要な制作範囲を決めることが大切です。
営業資料デザインで最優先したいのは、おしゃれなスライドを作ることではありません。顧客が提案内容を理解し、自社に必要かどうか判断できる資料になっているかが基準です。
制作前には、資料を使用する商談段階、ターゲット、最終的に取ってほしい行動を整理してください。そのうえで、顧客の課題、解決方法、具体的な提案、導入条件、実績、次の行動という流れを作ります。
デザインでは、一ページに情報を詰め込まず、タイトル、結論、補足の優先順位が視覚的に分かるようにします。フォントや色を増やすことより、文字サイズ、余白、図解、写真の役割を整理する方が理解しやすさにつながります。
完成後も、営業担当者がどこで説明しにくかったのか、顧客から何を質問されたのかを確認し、不要なページを削ったり不足情報を追加したりしてください。
営業資料は、一度制作して保管する会社案内ではなく、商談を進めるために継続して改善するツールです。顧客が何を知れば判断できるのかを基準に構成とデザインを見直すことが、実際の営業現場で使われる資料へ仕上げるポイントになります。