
冊子印刷の製本種類を完全解説──用途別に最適な綴じ方を選ぶための実践ガイド
2025年11月26日

会社案内、企画書、パンフレット、チラシをまとめた冊子など、印刷物を制作する際に必ず迷うのが「オフセット印刷とオンデマンド印刷のどちらを選ぶべきか」です。
どちらも冊子印刷に対応していますが、部数・コスト・納期・仕上がりの違いを理解していないと、予算や用途に合わない選択をしてしまうことがあります。
本記事では、冊子印刷の現場でよく使われる2つの印刷方式を、メリットや向き不向きとともに徹底比較。専門用語を避けつつ、発注担当者が迷わない判断軸を整理してわかりやすく解説します。

オフセット印刷は、版を作って印刷機で大量に刷る方式です。チラシやパンフレットなど、同じデータを数百〜数万部刷る場面で圧倒的に強く、色の再現性と品質が高いのが特徴です。
印刷物に均一な発色を求める冊子、ブランドイメージを重視する会社案内、色の精度が求められるカタログなどで広く使われています。
オンデマンド印刷は版を作らず、必要な部数だけ印刷できるデジタル印刷方式です。少部数から対応でき、4Pの簡易冊子や10部、30部など小ロットの制作に向いています。データの差し替えがしやすい点や、スピード重視の案件に強いのが特徴です。
オフセット印刷は版を使うため、色の安定性が高く、写真やビジュアルを多用する冊子で強みを発揮します。特に、ブランドカラーを正確に再現したい場合や、表紙にこだわりたいカタログ制作では定番です。
一方、オンデマンド印刷はデジタル方式のため、印刷機によって仕上がりに若干の差が出ることがあります。ただし、近年は技術が大きく進化し、一般的なパンフレットや研修資料ではほとんど違和感なく利用できます。
オフセット印刷は初期に版を作るため、最初の費用が高くなります。しかし、部数が増えるほど1冊あたりの単価が下がるため、500部、1,000部以上の冊子印刷では非常にコストパフォーマンスが良くなります。
オンデマンド印刷は版の費用が不要なため、10部・30部・100部などの小ロットでは低価格で発注できます。ただし、300〜500部を超えるとオフセットより高くなるケースがあります。
オンデマンド印刷はデータ入稿後すぐに印刷工程に移れるため、翌日納品や短納期に向いています。展示会直前のパンフレットや急ぎの冊子などでは大きなメリットです。
オフセット印刷は版作成→印刷→乾燥→製本という工程があるため、通常2〜5営業日の標準納期が必要になります。ただし、大量部数でも安定した品質が保てます。

100〜300部はどちらでも制作可能な“境界エリア”です。判断のポイントは以下の3つです。
大型機で一度に多くの枚数を刷れるため、大量生産に向いています。コート紙やマット紙など、多くの用紙との相性が良く、冊子の表紙を高品質に仕上げられます。
短納期・小ロットに最適で、オンデマンド専用の用紙を使うとより安定した仕上がりが得られます。紙の質によってはトナーの乗りが変わるため、印刷サンプルを事前に確認するのが安心です。

どちらの方式でもPDF入稿が一般的です。塗り足し3mm、フォント埋め込み、画像解像度350dpiなどの基本は共通ですが、オンデマンドは濃いベタ塗りでテカりが出ることがあるため注意が必要です。
冊子印刷におけるオフセット印刷とオンデマンド印刷は、それぞれに明確な強みがあります。大量部数で高品質を求めるならオフセット、少部数で柔軟さやスピードを重視するならオンデマンド。
両者の違いを理解し、目的・部数・予算・納期を踏まえて最適な方法を選ぶことで、印刷物の品質とコストのバランスを最大化できます。紙媒体とWebを組み合わせた活用も視野に入れれば、冊子の役割はさらに広がります。