
印刷会社で製本を依頼するには?冊子作成から用紙・綴じ方の選択までを徹底解説
2025年05月23日
企業のパンフレットやイベントのチラシを制作する際、重要なポイントのひとつが「どんな用紙を使うか」ということです。表面の光沢や手触りはもちろん、カラーの表現力や印刷の仕上がりにも関わるため、用紙の選択次第で「安っぽく見えてしまう」「情報が読み取りにくい」といった問題が起きることも。
本記事では、コート紙・マットコート紙・上質紙など代表的な紙の「種類」「違い」「用途」を解説。さらに用紙ごとの価格(販売価格)や目安となる「kg表記」、写真やデザインの印刷に向いているかなど、多角的に紹介します。ぜひ最後までご覧いただき、最適な印刷用紙で質の高いパンフレットを作り上げてください。
パンフレットやチラシなどの印刷物は、用紙の質感や厚みによって大きくイメージが変わります。紙が薄すぎると安っぽく見えたり、逆に厚みのある紙で高級感を演出したりと、ブランディングや販促効果にも影響を及ぼすため、用紙選びはとても重要です。
文字や写真が見やすいかどうかは、紙の表面の光沢やコーティングによって左右されます。また、長期間使用する冊子類の場合、折れやすさや耐水性など耐久面も考慮しなければなりません。用途に合わせた用紙選択が成果を左右すると言っても過言ではありません。
用紙の価格は紙質や紙厚(kg表記)などによって異なり、プロモーション費用に直結します。単価が高い紙を大量に使うと予算を圧迫しますが、安い紙すぎると仕上がりが期待外れになる可能性もあるため、適度なバランスを見極めることが大切です。
印刷用紙には「90kg」「110kg」「135kg」など、数字+「kg」という形で表記されることがあります。これは「連量(れんりょう)」と呼ばれ、紙1000枚あたりの重さ(○○kg)を示すものです。数字が大きいほど厚く、しっかりした手触りになります。
連量(kg) | 特徴 |
70kg | 薄手で軽く、コストを抑えやすい。安っぽく見える可能性。 |
90kg | チラシなどで広く使われる標準的な厚さ。 |
110kg | やや厚めで、パンフレットや名刺などに適。 |
135kg | 重厚感があり、高級感を出したい印刷物向け。 |
厚みがある紙ほど製造コストが高くなるため、販売価格(印刷会社の見積もり金額)も上がる傾向があります。大量印刷や予算が限られている場合は、「どの程度の厚さが最低限必要か」を検討しながら選択しましょう。
配布用の大量チラシや短期的に使うフライヤーなら、90kg程度の薄めのコート紙・マット紙でも十分対応可能です。印刷や配送のコストダウンを図るなら、やや薄めの紙を採用するのもひとつの手段です。
企業のイメージを左右するため、高品質な仕上がりが望ましいです。マットコート紙やコート紙で厚みのある(110kgや135kg)用紙を選ぶと、しっかりとした印象を与えられます。
写真を多用する場合は、光沢が映えるコート紙が好相性。食品メニューなどはフルカラーで魅力を引き出すため、コート紙や厚みのあるマットコート紙を選びましょう。水や汚れを防ぐ加工(PP貼り)も検討するとなお安心です。
配布目的が中心なら、厚すぎない紙(90kg~110kg)を選びコストダウンするのが一般的。カラフルなデザインならコート紙、文字中心ならマットコート紙や上質紙が最適です。
ページ数が多い冊子形式の場合、上質紙やマットコート紙などでやや落ち着いた雰囲気を出すのが定番。表紙だけ厚めのコート紙にし、本文は薄いマット紙を使う組み合わせもよく見られます。
印刷会社のウェブサイトで提示されている価格は、税抜き表示か税込表示かをしっかり確認しましょう。販売価格に大きなギャップが生じる場合もあるため、トータルコストを比較する際には注意が必要です。
近年はオンライン印刷サービスが一般的で、見積もりが簡単に算出できる場合が増えています。ただし、届け日(納期)の指定や対面でのサポートを望む場合は、地域密着型の印刷会社も検討するとよいでしょう。
デザイン作業では、画面上(RGB)と印刷上(CMYK)の色味が異なることに注意が必要です。写真やイラストの色がモニターと大きく変わらないよう、カラープロファイルを適切に設定して入稿しましょう。
鮮やかなカラーやリアルな写真表現をしたいなら、コート紙やマットコート紙がおすすめ。上質紙だと色が沈むこともあるため、文字主体のデザインに向いています。光沢を抑えたいならマットコート紙、鮮明な発色を優先するならコート紙が基本的な選択肢です.
大量部数や色再現がシビアな用途では、印刷前に「色校正」を依頼すると安心です。一部校正刷りで仕上がりを確認し、問題なければ本番印刷に移ることで大きな色ズレを防ぎます。
パンフレット用紙の選び方は、企業や商品のイメージを左右する重大な要素です。コート紙やマットコート紙、上質紙などそれぞれの紙質が持つ特性や価格の違いを理解し、サイズやページ数、折り加工などの仕様を踏まえた上で最適な組み合わせを見つけましょう。
適切な用紙を選べば、読者に一目で「品質の高い印刷物だ」と感じてもらえる可能性がぐっと高まります。パンフレットは企業や商品のストーリーを伝える大切な媒体です。ぜひ本記事を参考にして、最適な用紙選択と印刷仕様を検討し、魅力的かつ高品質なパンフレットを完成させてください。